2011 年 6 月 9 日
富山プロダクトデザインコンペティション2011の作品募集が5/27から始まっています。今回のコンペはこれまでに比べて変更点が多いため、みなさんに正確に伝わるかどうか不安でした。
応募登録料が無料に
審査回数が3回から2回に
具体的な課題テーマを設定しない
特に3つめの「課題テーマなし」が最大の不安でした。特に昨年は「富山」」をキーワードにした作品を募集したこともあり、今年はその正反対と言えます。これは私たちのデザインコンペは「商品化」を前提としているけれども、「富山県の企業にとって作りやすいもの」であることがコンペのねらいとしてよいのかどうか、5月初旬までずっと悩んだ結果です。私たちのデザインコンペは入賞作品の商品化に取り組むことは大前提ですが、入賞の有無にかかわらずデザインコンペをきっかけとして企業とデザイナーとの間に新しい出会いがあることもその目的。デザインコンペで提案される作品は、デザイナーの力量を知り、企業がこれから取り組んでいくべき新しい方向性を発見するきっかけであって欲しいのです。
今回、私たちのコンペに初めて参加いただく山田遊さんのコメント「日本のデザインの、次の10年を象徴する新しい指針となるようなデザイン、小さくまとまったデザインよりも、スケールの大きい、突き抜けたデザインが出てくることを期待」や秋田道夫さんのコメント「みなさんが日常や様々な情報を介して感じている「ユーザーの需要の兆し」をカタチにしてほしい」「流行や時の流れをものともせず売れ続けるチカラのある製品と、そういったものをコンスタントに生み出し続ける事の出来るタフなデザイナーの登場を期待しています」は今回のコンペの狙いを的確にまとめていただいていると思います。
審査員からのメッセージ
みなさんからの作品応募をお待ちしています!
2010 年 10 月 5 日
10月4日にコンペ第2次審査会を終え、最終審査対象作品10点を選出しました。今回はA3サイズのコンセプトパネル以外に補足説明資料を任意で提出していただいたので、じっくりと作品を見ていただきました。まず審査員の方に「これは!」と思う作品に付箋を貼っていただきました。その後、すべての作品について1つずつ見て回り、意見を出し合って10作品を選出しました。
第2次審査を終えて、各審査員から次の最終審査に向けてデザイナーに意識してもらいたいことをお話しいただきました。
- 廣田尚子氏:20年以上、デザイナーとして活動しているが、デザインは社会に貢献する技術のひとつと考えている。今回のコンペでは富山の産業に対して「デザイン」で何が出来るのかに注目していた。地域の産業に対してデザイナーはどこまで考察を深められるのかを期待していたが、2次審査を終えてこの点に関しては若干、残念だったと感じている。デザインがどのようなプロセスで社会に役立っていくのか、社会に貢献できるのか。最終審査会のプレゼンテーションではこの点について是非訴えかけてほしいと思うし、逆に質問もしていきたい。
デザイナーがこの企業にこんなデザインをというように自らが相手を想像して、商品単位ではなくその企業自体をコンサルタントするイメージで取り組んでもらえたらよかったが、コンペという枠でそこまでデザイナーに要求するのは困難なのかもしれない。
- 紫牟田伸子氏:近年、シビックプライド(その地域に住んでいる市民が都市に対してもつ自負と愛着)の考え方が注目されている。そこで働いている人、観光に来る人などすべてが市民であって、都市が豊かになっていくためにはどうすればいいか。さまざまなプロジェクトをディレクションする中でとても重要視している。
EUではハードウェア整備に重点を置かれていた時代からソフトウェアで人の心を打ち、ソフトウェアで世界に情報を発信する時代に変わってきている。地域間競争が激しくなり、どの地域で休暇を過ごすか、どの地域を観光するか、人の流動性が高まってきているなか、「なぜそこなのか」という意味が大切になってきている。
日本の地域再生、まちおこしは「お国自慢」「観光名産品」に着目しがちだが、それらを資産として活かしながらどのように人々と交流していくかが本当は大切なこと。その場所で、つまり富山で作られなければならない理由が人々に伝わるような取り組みが必要。今回のコンペはその意味でとてもおもしろい試みだと思うし、「富山って何かな?」を改めて考え直し、新たに発信していくいい機会になればと思う。
- 佐藤康三氏:今回のコンペは「富山のデザインコンペのあり方をリデザインする」ような考え方が出てきてもいいなという思いで審査に望んだ。長年コンペを続けるとそこに応募される作品に傾向が見えてくるようになる。若手デザイナーからは注目されているコンペなので、「富山のコンペは変わったな」という印象を持ってもらえるような契機になればと考えている。
地域活性化に関するさまざまな事業が行われるなか、地域の中だけで完結することは難しくなってきている。今のままではマーケットがどんどん固定化されるだけで、今後は他県との連携が必要になってくるだろう。
- 大矢寿雄氏:テーマの決定にはいつも苦労をしているが、どんなテーマを設定しても寄せられるデザインのスケール感が一定で大きなインパクトを持ったものが出てきていない。商品化を前提にしたコンペであるがゆえ全体的にコンパクトにまとまりすぎている。ものはできても市場へのインパクトがなければ商品化は難しい。デザイナーは流通までも見据えたシナリオをデザインに入れ込んでほしい。
学生から「富山にどんなメーカー、製品があるのかよくわからないから応募しない」という声を聞くが、このあたりの問題も主催者側として解決しなければならないと思う。
- 桐山登士樹氏:富山プロダクトデザインコンペは今回で17回目を迎え、なぜ富山県でコンペをやり続けるのかという理由と成果をリアルに感じたかったため、今回のコンペテーマを決定した。デザイナーのスキルで是非とも新しい価値創造をしてほしい。
19日の最終審査まで2週間しかありませんが、該当デザイナー10組にはさらなるブラッシュアップを期待しています!
2010 年 7 月 29 日
富山プロダクトデザインコンペ2010に参加いただく招待デザイナー10名を決定しました。詳細はデザインウエーブホームページのトップページにリンクがはってありますのでそちらをご覧下さい。
招待デザイナーの参加が始まったのは2001年のコンペから。国内外で活躍するデザイナーに参加を依頼することで、技術と経験に裏づけされたクオリティの高い作品が彼らから提案され、コンペ全体に活気がでることを期待しました。招待デザイナーは第1次審査を必ず通過するので一般公募で参加するデザイナーよりも有利とも思えますが、現在のような3賞(とやまデザイン賞、準とやまデザイン賞、特別賞)の形式になった2004年以降を振り返ってみると(2005年は招待デザイナーのみだったので除外)、招待デザイナーがとやまデザイン賞を受賞したのは2008年のみ、準とやまデザイン賞は2006年・2008年・2009年、特別賞は2004年のみと思ったよりも受賞者は少なめ。審査の際に「商品化のしやすさ」「デザインのインパクト」「コンセプトの確かさ」などさまざまな角度から作品を見て、審査員が意見を戦わせるのですが、開催年ごとに意見の着地点が異なるため招待デザイナーが強い年もあれば、一般公募が強い年もあるということでしょう。
今年のテーマは「富山の○○をリデザインする」。デザイナーの発想がきらりと光る作品をお待ちしています!
2010 年 6 月 9 日
今年も6月14日から富山プロダクトデザインコンペティション2010の作品募集が始まります。今回のコンペテーマは「富山の○○をリデザインする」。”○○”は誤植?と思った方もいるかもしれませんが間違いではありません。
3月に東京で次年度のデザインウエーブについて意見をいただく会議を開き、コンペテーマや商品開発の方向性などについて話し合いました。私たちの取り組みで得られた財産は何か、過去を振り返りつつこれからの10年、20年を見通してどういう方向に向かうべきかを中心に議論し、得られた結論がデザイナー・企業とのネットーワークの活用でした。デザインコンペ、ワークショップがデザイナーと企業・県総合デザインセンターとの最初の接点となりさまざまな発展へと飛躍する、そんな思いから今年のコンペのテーマを設定しました。
「商品化」を前提としつつ、「デザインのスケール感」「強力なコンセプト」といったデザイナーの視点が活かされているか、計3回の審査会ではこのあたりのことが議論の中心になるように感じています。作品募集にあわせてデザインウエーブホームページも大きく拡充させました。審査員からのメッセージや過去に富山の企業と商品開発に取り組んだデザイナーの意見など、コンペに寄せる思いや富山とおつきあいをスタートさせている方の生の声を定期的に掲載していきます。「富山とこんな風につきあっていけるのか!」とか「こんな風につきあっていきたい!」などあなたならではの”目の付けどころ”を見つけて下さいね。
2009 年 9 月 2 日
去る8月25日に富山プロダクトデザインコンペティション2009の第1次審査会を開きました。まず、今年の応募結果は下記のとおりでした。
- 応募期間中のデザインウエーブホームページ閲覧数 14035件
- 登録申込数 318名(のべ人数)
- 提出作品パネル数 228点(うち10点は招待デザイナー)
昨年に比べて閲覧数、提出パネル数はともに増えました。日経BP社から「デザイン・イベント・ガイド2009」に富山デザインコンペが紹介されたことや大学あてにコンペ告知ポスターを送付したことなどコンペの実績や存在を昨年以上にPRできたからかもしれません。しかし、提出作品についてはやや物足りなさがありました。日経デザイン編集長ブログ(http://blog.nikkeibp.co.jp/nd/chief-editor/)に審査員でもある下川さんのコメントが掲載されていますが、まさに下川さんが思われたとおり、「単なるカラーバリエーションに過ぎない」カラーの提案が多かったと思いました。デザインのコンセプトや意匠にカラーがどのように関係しているのか、デザイナーの狙いや主張があまり感じられませんでした。
1次審査を通過した皆さまには審査会における審査員のコメントを送り、10月に開催される第2次審査(模型審査)に向けてデザインのブラッシュアップをお願いしています。このコンペの特徴でもあるのですが、第1次審査~第2次審査の間でグッとデザインのコンセプトや意匠がアップする作品が多いのです。第1次審査で「あれれ?」と感じていた作品も第2次審査では「おもしろいね!」と反応が180度ひっくり返るものもあり、まだまだ期待十分です!
2009 年 6 月 26 日
6月23日にカラーデザイナーの小倉ひろみさんを講師に招き、「カラーデザイントレンド」というテーマで講演いただきました。プロダクトデザイン分野を中心に「色と素材」をコンサルティングされています。小倉さんのホームページには大手家電メーカーでのお仕事が紹介されています。
スタジオピーパ http://www.pi-pa.co.jp/
お話しで印象的だったのは、商品の色を決定する過程において上層部に説得するプレゼンテーションが重要であるということ。メーカーにおいて色をコンサルティングする場合、色はユーザー側のものではなく、開発している技術者や経営者が納得できるものでなければいけないということ。ファッション分野では顕著なように色のトレンドはメーカーが作るものと考えると、より積極的に色を検討していく重要さを改めて実感しました。小倉さんは色の価値づけを行う際にまず色に商品コンセプトに合った「名前」をつけるそうです。エステ系の商品(美顔器やスチーマーなど)について「ベージュブリランテ」という名前をつけ、「美しい肌になる」という商品性能を視覚的に表現し、使う満足感をさらに高めているという事例を紹介いただきました。
パナソニック電工 エステ商品群 http://www.pi-pa.co.jp/showcase3.html
「プロダクトには機能や形態から得られるイメージと色のイメージの両方があって、双方のイメージが似ている場合にひとは本当に満足する」と小倉さんの著書「成功するプロダクトのためのカラーリング講座」に書かれています。デザインコンペ審査会で審査員が「あ~、なるほど!」と口にするような、「人のこころをつかむ色」と「機能」の両方が同時に備わっているアイデアを期待しています!
「成功するプロダクトのためのカラーリング講座」/小倉ひとみ著
美術出版社/ISBN-10: 4568520215
2009 年 6 月 15 日
今日から富山プロダクトデザインコンペティション2009の作品募集を開始しました。今回のテーマは「カラフルなグッズ」です。2008年度審査員の方、2009年度審査員にお呼びしたい方を3月のデザインウエーブ会議に来ていただき、2009年コンペのテーマについていろいろとご意見をいただきました。2008年のコンペを振り返ると、大きな課題としてあがったのは「デザインのエネルギーを強く訴えかけるような作品がほしい」ということでした。商品化を前提としているため、作りやすい作品やユーザーの幅を制限しない作品が集まりやすい傾向にあり、どうしても「こなれた」感がありました。デザイナーの自己主張が感じられる作品とは?ということを首都圏のセレクトショップなどをまわり考えた結果、たどり着いたものが「カラー」という結論でした。デザイナーが「カラー」をどのような切り口で展開してくるのか、とても楽しみにしています。
2009 年 3 月 26 日
3月19日に東京にて次年度のデザインウエーブ事業の内容についてご意見をいただく「デザインウエーブ会議」を開きました。参加いただいたのは、下記のみなさま。
- 五十嵐久枝 氏(インテリアデザイナー)
- 大熊 健郎 氏(CLASKA企画開発責任者)
- 大治 将典 氏(プロダクトデザイナー)
- 小林 幹也 氏(プロダクトデザイナー)
- 下川 一哉 氏(日経デザイン 編集長)
- 澄川 伸一 氏(プロダクトデザイナー)
- 長山 智美 氏(インテリアスタイリスト)
- 名児耶秀美 氏(アッシュコンセプト 代表取締役)
- 橋田 規子 氏(芝浦工業大学教授)
- 松尾 伴大 氏 (デザインプロジェクト 参メンバー)
- 山崎 泰 氏(ジャパンデザインネット 企画営業/マネージャー)
以上 五十音順
昨年度も同様の会議を開き、2008年度事業ではより県内企業とデザイナーとの関わり合いに重点を置いたコンペテーマの設定やワークショップを進め、企画展示では県内企業の商品と著名なインテリア雑貨との組み合わせを試みました。そして、今回はコンペの審査員やコンペ受賞者、ワークショップ参加者の方々に2008年度事業を振り返り、2009年度事業について改善すべきところ、より強化すべきところなど、自由にお話いただきました。
お話しの中心になったことをまとめると、「商品化実績があること」「デザイナーと企業とのつながりが密なこと」に対して評価いただけた半面、「主催者側の事業の狙いがはっきりしていない」、「PRが不十分」、「商品化することではなく、売れている商品を生み出すことが大切」といった指摘もいただきました。
- コンペ作品について、「全体的に小粒」「感動を呼び起こすものがなかった」「きれいにまとまりすぎていてインパクトに欠ける」ものがほとんどだった
- 商品化が事業の目的としているが、本当はその商品が「売れていること」が大切。生まれたデザインがどのようなチャンネルで売られていくかをもっと明確にしたほうがいい
- コンペ作品でもワークショップ作品でも、注文をとって売ってみる試みが大切。流通していることの意義をもっと強調したらいい
- この事業に参加することでデザイナーと富山県企業とのつながりができ、商品化が見えてくるような印象をもっとPRするべき。
- 地方の特色ある技術でものづくりすることにメディアの関心が向けられやすい現状を考えると、OEMの形で富山県企業が力になれることをアピールしてほしい。
- 富山県全体でみるとデザインに興味を持っている人がまだまだ少ない。県の特色がでるようなデザイン教育が必要では。
- 大なり小なり東京で情報発信できる拠点がほしい。また力のあるメディアを積極的に活用することが大事で、そのためにはプレス向けのノウハウをつむべき。
- マニアックな人よりも普通の人が目にする媒体に情報を流す方がいい。訴求力ある有名な人に商品を語らせたりすれば、メディアのくいつきがいいかも。
...主催者としては耳の痛い話しが多かったですが、「もっと楽しく事業を展開しよう!」という気持ちが大切だと感じました。コンペテーマの設定にしても、「シンプル」「美しい」「機能的」なものもいいけれど、「力強い」「元気になる」「華やかな」ものが集まってくるような工夫が必要かなぁと感じました。
2009 年 2 月 17 日
10月末にプロダクトコンペなどひととおりの事業が終わってから、久々のホームペー更新です。近日中に「デザインウエーブ2008イン富山」の報告書が発行される予定です! デザインコンペ作品や審査を振り返る審査員座談会、ワークショップ作品、企画展示会、デザインセミナーなどデザインウエーブ2008の各事業を詳細にお伝えする内容になっています。
現在、地域の企業との間で商品化に向けた取組みが下記のとおり多数、進行しています。最終審査会の終了後に行われた交流会がきっかけでデザイン開発が始まったケースやワークショップをきっかけとして新しい企業ブランドの構築に取り組んでいるケースなど、デザイナーとの商品開発を初めて体験されている企業が出てきていることが例年にない動きです。商品化されるまでにはまだまだ道のりは険しいですが、一生懸命、企業やデザイナーを支援していきたいです!
<富山プロダクトデザインコンペティションより>
- TATE OTAMA(デザイン:小林幹也)
- スミバコ(デザイン:参)
- Soft Ruler(デザイン:竹内啓之)
- 山おろし(デザイン:岡田心)
<ワークショップより>
- 真ちゅうの栓抜き「三日月」「日食」「枠」 (デザイン:大治将典)
- 真ちゅうの鍋敷き「fire」 (デザイン:NIIMI)
- 錫のスプーン「Honey spoon」 (デザイン:渋谷哲男)
3月に東京で「デザインウエーブ2009イン富山」の事業について意見をいただく会議(非公開ですが)を開催する予定です。昨年の3月に開催した会議において2008の各事業についてたくさんの意見をいただき(簡単ですが、2008報告書の最終ページに内容を抜粋しています)、事業に反映させる努力をしました。結果、先に書いたような商品化の動きが多数生まれるなど例年以上の成果が得られたのだろうと思います。この会議でデザインコンペのテーマや「デザインウエーブ事業」が長く継続していけるための仕組み作りなど貴重な意見がいただけることを期待しています。