2010 年 7 月 29 日
富山プロダクトデザインコンペ2010に参加いただく招待デザイナー10名を決定しました。詳細はデザインウエーブホームページのトップページにリンクがはってありますのでそちらをご覧下さい。
招待デザイナーの参加が始まったのは2001年のコンペから。国内外で活躍するデザイナーに参加を依頼することで、技術と経験に裏づけされたクオリティの高い作品が彼らから提案され、コンペ全体に活気がでることを期待しました。招待デザイナーは第1次審査を必ず通過するので一般公募で参加するデザイナーよりも有利とも思えますが、現在のような3賞(とやまデザイン賞、準とやまデザイン賞、特別賞)の形式になった2004年以降を振り返ってみると(2005年は招待デザイナーのみだったので除外)、招待デザイナーがとやまデザイン賞を受賞したのは2008年のみ、準とやまデザイン賞は2006年・2008年・2009年、特別賞は2004年のみと思ったよりも受賞者は少なめ。審査の際に「商品化のしやすさ」「デザインのインパクト」「コンセプトの確かさ」などさまざまな角度から作品を見て、審査員が意見を戦わせるのですが、開催年ごとに意見の着地点が異なるため招待デザイナーが強い年もあれば、一般公募が強い年もあるということでしょう。
今年のテーマは「富山の○○をリデザインする」。デザイナーの発想がきらりと光る作品をお待ちしています!
2010 年 6 月 9 日
今年も6月14日から富山プロダクトデザインコンペティション2010の作品募集が始まります。今回のコンペテーマは「富山の○○をリデザインする」。”○○”は誤植?と思った方もいるかもしれませんが間違いではありません。
3月に東京で次年度のデザインウエーブについて意見をいただく会議を開き、コンペテーマや商品開発の方向性などについて話し合いました。私たちの取り組みで得られた財産は何か、過去を振り返りつつこれからの10年、20年を見通してどういう方向に向かうべきかを中心に議論し、得られた結論がデザイナー・企業とのネットーワークの活用でした。デザインコンペ、ワークショップがデザイナーと企業・県総合デザインセンターとの最初の接点となりさまざまな発展へと飛躍する、そんな思いから今年のコンペのテーマを設定しました。
「商品化」を前提としつつ、「デザインのスケール感」「強力なコンセプト」といったデザイナーの視点が活かされているか、計3回の審査会ではこのあたりのことが議論の中心になるように感じています。作品募集にあわせてデザインウエーブホームページも大きく拡充させました。審査員からのメッセージや過去に富山の企業と商品開発に取り組んだデザイナーの意見など、コンペに寄せる思いや富山とおつきあいをスタートさせている方の生の声を定期的に掲載していきます。「富山とこんな風につきあっていけるのか!」とか「こんな風につきあっていきたい!」などあなたならではの”目の付けどころ”を見つけて下さいね。
2009 年 9 月 2 日
去る8月25日に富山プロダクトデザインコンペティション2009の第1次審査会を開きました。まず、今年の応募結果は下記のとおりでした。
- 応募期間中のデザインウエーブホームページ閲覧数 14035件
- 登録申込数 318名(のべ人数)
- 提出作品パネル数 228点(うち10点は招待デザイナー)
昨年に比べて閲覧数、提出パネル数はともに増えました。日経BP社から「デザイン・イベント・ガイド2009」に富山デザインコンペが紹介されたことや大学あてにコンペ告知ポスターを送付したことなどコンペの実績や存在を昨年以上にPRできたからかもしれません。しかし、提出作品についてはやや物足りなさがありました。日経デザイン編集長ブログ(http://blog.nikkeibp.co.jp/nd/chief-editor/)に審査員でもある下川さんのコメントが掲載されていますが、まさに下川さんが思われたとおり、「単なるカラーバリエーションに過ぎない」カラーの提案が多かったと思いました。デザインのコンセプトや意匠にカラーがどのように関係しているのか、デザイナーの狙いや主張があまり感じられませんでした。
1次審査を通過した皆さまには審査会における審査員のコメントを送り、10月に開催される第2次審査(模型審査)に向けてデザインのブラッシュアップをお願いしています。このコンペの特徴でもあるのですが、第1次審査~第2次審査の間でグッとデザインのコンセプトや意匠がアップする作品が多いのです。第1次審査で「あれれ?」と感じていた作品も第2次審査では「おもしろいね!」と反応が180度ひっくり返るものもあり、まだまだ期待十分です!
2009 年 6 月 26 日
6月23日にカラーデザイナーの小倉ひろみさんを講師に招き、「カラーデザイントレンド」というテーマで講演いただきました。プロダクトデザイン分野を中心に「色と素材」をコンサルティングされています。小倉さんのホームページには大手家電メーカーでのお仕事が紹介されています。
スタジオピーパ http://www.pi-pa.co.jp/
お話しで印象的だったのは、商品の色を決定する過程において上層部に説得するプレゼンテーションが重要であるということ。メーカーにおいて色をコンサルティングする場合、色はユーザー側のものではなく、開発している技術者や経営者が納得できるものでなければいけないということ。ファッション分野では顕著なように色のトレンドはメーカーが作るものと考えると、より積極的に色を検討していく重要さを改めて実感しました。小倉さんは色の価値づけを行う際にまず色に商品コンセプトに合った「名前」をつけるそうです。エステ系の商品(美顔器やスチーマーなど)について「ベージュブリランテ」という名前をつけ、「美しい肌になる」という商品性能を視覚的に表現し、使う満足感をさらに高めているという事例を紹介いただきました。
パナソニック電工 エステ商品群 http://www.pi-pa.co.jp/showcase3.html
「プロダクトには機能や形態から得られるイメージと色のイメージの両方があって、双方のイメージが似ている場合にひとは本当に満足する」と小倉さんの著書「成功するプロダクトのためのカラーリング講座」に書かれています。デザインコンペ審査会で審査員が「あ~、なるほど!」と口にするような、「人のこころをつかむ色」と「機能」の両方が同時に備わっているアイデアを期待しています!
「成功するプロダクトのためのカラーリング講座」/小倉ひとみ著
美術出版社/ISBN-10: 4568520215
2009 年 6 月 15 日
今日から富山プロダクトデザインコンペティション2009の作品募集を開始しました。今回のテーマは「カラフルなグッズ」です。2008年度審査員の方、2009年度審査員にお呼びしたい方を3月のデザインウエーブ会議に来ていただき、2009年コンペのテーマについていろいろとご意見をいただきました。2008年のコンペを振り返ると、大きな課題としてあがったのは「デザインのエネルギーを強く訴えかけるような作品がほしい」ということでした。商品化を前提としているため、作りやすい作品やユーザーの幅を制限しない作品が集まりやすい傾向にあり、どうしても「こなれた」感がありました。デザイナーの自己主張が感じられる作品とは?ということを首都圏のセレクトショップなどをまわり考えた結果、たどり着いたものが「カラー」という結論でした。デザイナーが「カラー」をどのような切り口で展開してくるのか、とても楽しみにしています。
2009 年 3 月 26 日
3月19日に東京にて次年度のデザインウエーブ事業の内容についてご意見をいただく「デザインウエーブ会議」を開きました。参加いただいたのは、下記のみなさま。
- 五十嵐久枝 氏(インテリアデザイナー)
- 大熊 健郎 氏(CLASKA企画開発責任者)
- 大治 将典 氏(プロダクトデザイナー)
- 小林 幹也 氏(プロダクトデザイナー)
- 下川 一哉 氏(日経デザイン 編集長)
- 澄川 伸一 氏(プロダクトデザイナー)
- 長山 智美 氏(インテリアスタイリスト)
- 名児耶秀美 氏(アッシュコンセプト 代表取締役)
- 橋田 規子 氏(芝浦工業大学教授)
- 松尾 伴大 氏 (デザインプロジェクト 参メンバー)
- 山崎 泰 氏(ジャパンデザインネット 企画営業/マネージャー)
以上 五十音順
昨年度も同様の会議を開き、2008年度事業ではより県内企業とデザイナーとの関わり合いに重点を置いたコンペテーマの設定やワークショップを進め、企画展示では県内企業の商品と著名なインテリア雑貨との組み合わせを試みました。そして、今回はコンペの審査員やコンペ受賞者、ワークショップ参加者の方々に2008年度事業を振り返り、2009年度事業について改善すべきところ、より強化すべきところなど、自由にお話いただきました。
お話しの中心になったことをまとめると、「商品化実績があること」「デザイナーと企業とのつながりが密なこと」に対して評価いただけた半面、「主催者側の事業の狙いがはっきりしていない」、「PRが不十分」、「商品化することではなく、売れている商品を生み出すことが大切」といった指摘もいただきました。
- コンペ作品について、「全体的に小粒」「感動を呼び起こすものがなかった」「きれいにまとまりすぎていてインパクトに欠ける」ものがほとんどだった
- 商品化が事業の目的としているが、本当はその商品が「売れていること」が大切。生まれたデザインがどのようなチャンネルで売られていくかをもっと明確にしたほうがいい
- コンペ作品でもワークショップ作品でも、注文をとって売ってみる試みが大切。流通していることの意義をもっと強調したらいい
- この事業に参加することでデザイナーと富山県企業とのつながりができ、商品化が見えてくるような印象をもっとPRするべき。
- 地方の特色ある技術でものづくりすることにメディアの関心が向けられやすい現状を考えると、OEMの形で富山県企業が力になれることをアピールしてほしい。
- 富山県全体でみるとデザインに興味を持っている人がまだまだ少ない。県の特色がでるようなデザイン教育が必要では。
- 大なり小なり東京で情報発信できる拠点がほしい。また力のあるメディアを積極的に活用することが大事で、そのためにはプレス向けのノウハウをつむべき。
- マニアックな人よりも普通の人が目にする媒体に情報を流す方がいい。訴求力ある有名な人に商品を語らせたりすれば、メディアのくいつきがいいかも。
...主催者としては耳の痛い話しが多かったですが、「もっと楽しく事業を展開しよう!」という気持ちが大切だと感じました。コンペテーマの設定にしても、「シンプル」「美しい」「機能的」なものもいいけれど、「力強い」「元気になる」「華やかな」ものが集まってくるような工夫が必要かなぁと感じました。
2009 年 2 月 17 日
10月末にプロダクトコンペなどひととおりの事業が終わってから、久々のホームペー更新です。近日中に「デザインウエーブ2008イン富山」の報告書が発行される予定です! デザインコンペ作品や審査を振り返る審査員座談会、ワークショップ作品、企画展示会、デザインセミナーなどデザインウエーブ2008の各事業を詳細にお伝えする内容になっています。
現在、地域の企業との間で商品化に向けた取組みが下記のとおり多数、進行しています。最終審査会の終了後に行われた交流会がきっかけでデザイン開発が始まったケースやワークショップをきっかけとして新しい企業ブランドの構築に取り組んでいるケースなど、デザイナーとの商品開発を初めて体験されている企業が出てきていることが例年にない動きです。商品化されるまでにはまだまだ道のりは険しいですが、一生懸命、企業やデザイナーを支援していきたいです!
<富山プロダクトデザインコンペティションより>
- TATE OTAMA(デザイン:小林幹也)
- スミバコ(デザイン:参)
- Soft Ruler(デザイン:竹内啓之)
- 山おろし(デザイン:岡田心)
<ワークショップより>
- 真ちゅうの栓抜き「三日月」「日食」「枠」 (デザイン:大治将典)
- 真ちゅうの鍋敷き「fire」 (デザイン:NIIMI)
- 錫のスプーン「Honey spoon」 (デザイン:渋谷哲男)
3月に東京で「デザインウエーブ2009イン富山」の事業について意見をいただく会議(非公開ですが)を開催する予定です。昨年の3月に開催した会議において2008の各事業についてたくさんの意見をいただき(簡単ですが、2008報告書の最終ページに内容を抜粋しています)、事業に反映させる努力をしました。結果、先に書いたような商品化の動きが多数生まれるなど例年以上の成果が得られたのだろうと思います。この会議でデザインコンペのテーマや「デザインウエーブ事業」が長く継続していけるための仕組み作りなど貴重な意見がいただけることを期待しています。
2008 年 10 月 28 日

10月22日、富山プロダクトデザインコンペティション2008最終審査会が開かれました。コンセプトパネルによる第1次審査、模型による第2次審査を通過した10作品のデザイナーが審査員および一般聴講者の前で自身の作品についてプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションの後、各デザイナーは5名の審査員から新規性、市場性、生産性などについて質問を受け、それに答えました。全てのプレゼンテーション、質疑応答が終了した後、審査員は今回のテーマである「素材」の活かし方やデザインの新しさ、そして商品化を見据えた生産性などについて公開でディスカッションを展開し、「とやまデザイン賞」ほか各賞が決定されました。
■とやまデザイン賞
「TATE OTAMA」デザイン/小林幹也(こばやし みきや)
お玉スタンドが不要な自立するお玉。比重バランスによってお玉そのものが自立し、狭い場所でも置き場所に困らない。
■準とやまデザイン賞
「スミバコ」デザイン/参(まいる/松尾伴大+甲斐健太郎+下山幸三)
不織布のパックに木炭チップを詰めることで、堅い芯材がなくても自立するゴミ箱。木炭の持つ高い脱臭・調湿性能により、内側のゴミのニオイだけでなくその周囲の空気も快適に保つことができる。
■黒木靖夫特別賞
「Soft Ruler」デザイン/竹内啓行(たけうち ひろゆき)
直線定規と巻き尺の性質を併せ持つ、まったく新しい定規。直線を引くのに十分な硬さを持つ一方で巻き尺のように曲線にピタリと沿わせてその長さを測ることができる。
翌23日、審査員の方に再度集まっていただき、コンペを振り返る座談会を開きました。今年のコンペの傾向について、下記のような意見がでました。
- 商品化が前提であるため、リアリティーの高いアイデアが多かった
- モックアップのクオリティーが高かった
- 第1次、第2次の各審査における審査員のコメントを参考に、デザイナーが良い方向に作品をブラッシュアップしていった
- 「素材を活かす」というテーマから単一素材の作品が多かった。違う素材を組み合わせた提案があってもよかった
- テーマとアイデアが合致し、県内企業の反応が良く、商品化に積極的な姿勢が見られた
- 富山の素材を研究しているデザイナーが多かった
さらにコンペの今後について下記のような意見をいただきました
「素材を活かす」というデザインの根本でありながら、県内産業に合致した商品開発を進めやすいテーマであったためか、商品化を見据えた、リアリティーの高い作品が集まった。商品化を前提としたコンペの先駆けとして、15回目を迎えたこのコンペはデザイナーの持つ「リアリティーを追求する力」を引き出すという点で成功している。半面、商品化を意識するあまり、アイデアの自由度は限られやすく、社会にメッセージを投げかけるような、ひとつの時代を築く大胆なアイデアの必要性を感じた。デザイナーの持つもう一つの力である「時代を創造していく力」を引き出し発表する場として、このコンペティションが次のステージへとステップアップする段階にきているのかもしれない。
商品化に向けて既に動き出しています。デザイナ-、企業、富山県総合デザインセンターが一体となってがんばっていきます!
2008 年 9 月 1 日
8月26日東京にて富山プロダクトデザインコンペティション2008の第1次審査会(A3サイズのパネル審査)を開きました。今年度の応募点数は181点(招待デザイナー作品16点を含む)。今年のテーマは「素材を活かす」ですので、素材別にパネルを並べて審査員の方にじっくりと見ていただきました。一般応募作品の中から15点を選出し、招待デザイナー作品16点を合わせた合計31点が第2次審査の対象作品となりました。
全ての作品を素材別に整理した結果は下記のとおり。
・ゴム類(シリコーンゴム):55
・金属類(アルミニウム):17
・プラスチック(その他):13
・金属類(ステンレス):12
・プラスチック(アクリル):10
・ガラス:8
・ゴム類(その他):7
・炭:7
・木:7
・金属類(錫):6
・漆:5
・金属類(真ちゅう):4
・金属類(鉄):3
・植物性廃棄物(ビーモールド):3
・繊維:3
・紙:3
・その他:18
過去のコンペの商品化実績が影響しているのか、あるいはアッシュコンセプトの名児耶さんが審査員に入っているためかゴム類(シリコーンゴム)の提案が多かったですね。事務局としては真ちゅうなど金属素材の提案がもっと来るかなぁと期待したのですが...
第1次審査を通過した作品を素材別に整理した結果は下記のとおり。
・ゴム類(シリコーンゴム):5
・炭:4
・金属類(アルミニウム):4
・その他:3
・金属類(錫):2
・ガラス:2
・プラスチック(その他):2
・プラスチック(アクリル):2
・金属類(真ちゅう):2
・ゴム類(その他):1
・金属類(ステンレス):1
・植物性廃棄物(ビーモールド):1
・繊維:1
・漆:1
・木:0
・金属類(鉄):0
・紙:0
(株)アイオーティカーボンさんの炭を使った提案が多かったのが意外でした。第2次審査の対象となる31点について審査員からコメントをいただき各デザイナーにお伝えしました。「パネルのデザインでは機能面をよく理解できない。サイズ・構造などを明確にすること。」「これだけ体積の大きいものをコップにいれたらコップの中身があふれてしまわないか。中身をあふれさせない構造を明確にして欲しい。」「効率的に冷やすためにはもっと表面積を増やしたデザインにしたほうがいい。全体的にデザインの改良が必要。」「表面積を増やしたデザインにすればするほど洗いにくいものになりやすい。清潔に保つことに配慮しながらリ・デザインしてほしい。」「コンセプトを実証できる模型の製作を希望したい。」「マドラーとして使えるようなデザインでもおもしろい。」 これは選出された1作品に対するコメントです。審査員のコメントをどのように解釈するかはデザイナーの判断にまかせています。商品化された姿をイメージしながらデザインをブラッシュアップさせ、模型として立体化してもらいたいですね!